パズドラって”オワコン”と言われ続けながらもうすぐ干支を一巡しそうだよねって話
なんだかんだパズドラを辞められない名無しが、パズドラ×オワコンを感情論抜きに考えてみる。
今年でパズドラは11周年
日本でスマートフォンが普及し始めたのはiphone 5が発売された頃だと勝手に思い込んでいます。
そうだとするとiphone 5が発売されたのが2012年なので発売から11年経ったことになります。
歴代iphoneの中で人気ランキング1位をiphone 5と同型モデルのiphone seが獲ったこともある*1ところから分かる通り、iphone 5の筐体デザインの人気は高いのです。
5よりもseの方が人気はあるけど性能的に完全上位互換だからね、しょうがないね。
文化的価値のあるものでもないのに10年以上も支持されるというのはそれだけですごいものなのです。
10年以上の時を経てなお支持されているものは他にもあるのです。
例えばパズドラとか。
つまり今年で11周年を迎えたのです。
ただしこの11年間が決して穏やかではなかったことを一般パズドラプレイヤーはよく知っています。
曲芸師事件から始まったパワーバランスの崩壊と過激なインフレ。
限定ガチャのキャラが環境キャラになってしまうような圧倒的課金者優遇。
ユーザーの期待に応えようとしているのか、そもそもユーザーからの期待を履き違えているのか。
なんにしてもパズドラは数々の事件を起こし、その中で”オワコン”だとか”オワドラ”などと呼ばれるようになり、その点は公式も自覚してか”ハジドラ”などというワードを生み出す始末。
基本的に叩かれながら進み続けた11年なのです。
時にセルラン上位に食い込むこともあるパズドラが”オワコン”と呼ばれる理由を「シンプルにつまらない」みたいに主観的でも感情論的にでもなく、パズドラが開拓したジャンルやそのジャンルの発展の経緯を考えながらなるべく客観的に考えてみようではありませんか。
”なるべく”です、あくまでも”なるべく”。
スマホは携帯電話である
大前提として案外見失いがちな事実としてスマートフォンは携帯電話であるを挙げておきます。
PHSだとかアンテナを伸ばして通信していた携帯電話から昨今のスマートフォンに至るまでその機械の本質は変わらず遠方の誰かとの連絡手段であることに変わりはありません。
その中でTwitterだとかInstagramみたいなアプリは、携帯電話の本来の役割をよりカジュアルに運用できるツールとして普及しているわけです。
今時SMSをメインで使っている人は稀有でしょう。
今でこそスマホアプリは充実していますが、スマホ黎明期には今ほどの充実度がなかったことは確か。
きっと従来の携帯電話の機能のみを期待してスマートフォンに機種変した人もいたことでしょう。
その文脈の中でスマホをゲーム機とするという考えはかなり新しい発想だったのでは? と考えられるのです。
新しいものに対してとりあえず否定的な立場をとる日本人出あればなおさらです。
この点でパスドラが生み出したムーブメントは今なお続いているものですからやはり偉業と言えるでしょう。
パズドラは”ココ”がスゴかった
スマホで遊ぶゲームというのはコンシューマー機で言うところのWiiに近いものを感じます。
すなわち直感的に遊べるということ。
まぁスマートフォンの操作は基本タップのみなので当然なのですが。
ただこれまで機械をボタンポチポチで操作していた人からすればこれは驚きに溢れる体験だったはずです。
パズドラの話に戻しますと、
- キャラアイコンをタップすることで使えるスキル
- 自由自在にドロップを動かせるパズル
- いつでもどこでも遊べる
この3点で昔の当時のゲームの中でパズドラは一つ飛び抜けていた印象があります。
10年以上も前のことなのでうろ覚え感強めですが外でDSを遊んでいる人はそんなに見なかった記憶。
スマートフォンという普段接する機会のなかったテクノロジーが詰め込まれた機械に備わったシステムを存分に体験できるようなゲームであることは確かだと思います。
とにかくスマートフォンをゲーム機としての機能を付与したのはパズドラであると言っても過言ではないと思います。
そしてパズドラがその時代の周囲に与えていた影響はとても強いもので個人的に特に強く記憶しているのがモンストにゼウスやヴァルキリーといった北欧神和のキャラが実装された時です。
当時のパズドラにももちろん北欧神和のキャラはいましたが、もちろん出典は北欧神話でありこれが元ネタなのです。
ところが当時のyoutubeでモンストに北欧神話のキャラクターが追加されると知ったパズドラユーザーの中でこれはパズドラのパクリだといった旨のコメントが散見されたのです。
もちろんそんな訳はない。
先にも書いた通り北欧神話の出典は当然北欧神話であり、これはパズドラの運営であるガンホーが創造したものではありません。
パズドラというゲームで視野が広がり知識を拾うようになった人が少なからず存在していることがこの事からわかるのです。
パズドラが衰退した理由
スマートフォンがゲーム機として定着するとどういうことが発生するかと言うと新たな市場が出来上がり同業他社が多く参入してくることになります。
パズドラとほぼ同年代のゲームだとモンストとかにゃんこ大戦争くらいしか思いつきませんが、昨今のゲームでいえばウマ娘とかブルーアーカイブとか。
元々はコンシューマー向けのゲームがスマホで再販されるという例もあります。
ドラクエみたいなRPGとかもうサービス終了したけどApexとかも。
スマホゲームという市場が出来上がるのです。
こうなってくるともちろん一つのコンテンツに要求されるのはそのコンテンツのオリジナリティであり、その差がそのままゲームの差となり評価の指標となります。
改めてパズドラの特徴を挙げてみましょう。
- キャラアイコンをタップすることで使えるスキル
- 自由自在にドロップを動かせるパズル
- いつでもどこでも遊べる
3つ目はもうどうでもいいとして上2つは要するにスマホの機能を活用しているだけでパズドラというアプリの特徴にはならないのです。
例えばDSのタッチスクリーンと1つの筐体に2つの画面。
これらは最近じゃ全く新鮮さが感じられませんが、それはPSPやDSがゲーム機として広く認知されているからであり、スマートフォンがパズドラによってゲーム機として広く認知されたとするならパズドラの特徴なんてあって無いようなものなのです。
そりゃあ衰退して然るべきでしょう。
スマホで遊ぶ上でもっともシンプルなゲームがパズドラであり、最近のスマホユーザーはそんな素の味のゲームを求めていないのです。
ゲーム外でもそのゲームを意識させる要素がたくさん用意できますから。
バンドリやウマ娘のようなリアルでのイベントとかグッズ展開とか。
正直それだけでもネットで出てくる広告のゲームくらいに関心が離れてもおかしくないですが、やっぱり長く運営されているだけでゲームとして箔が付くもので、なんだかんだ11周年を迎えているのでしょう。
多くの炎上事件があったということはそれだけ人の目に止まる機会があったとも言えますし、だからこそmarvelだとかスターウォーズだとか知名度の高い作品とコラボもできてそのコラボで売り上げを確保できるからサービスが続き、その分また人の目に留まる機会が増えると。
正のサイクルの完成でございます。
ここまでのまとめ
ここまで書いてきたことをまとめると、
- スマホの本来の使い方は遠方の人と連絡を取ること
- スマホの機能とゲームを掛け合わせたものがパズドラ
- パズドラがスマホゲームという新たな市場を作った
- パズドラにはその市場の中で戦っていけるだけの強みはない
- 故にオワコン
PUBGというゲームがあります。
このゲームはもしかしたら複数人参加のバトルロイヤルを我々に定着させたゲームなのかもしれません。
開拓者というヤツです。
しかし後から出てきたFortniteに立場を奪われ、そのFortniteもまたApexに立場を奪われ・・・。
今はオーバーウォッチ2ですか?
ジャンル違いですけど。
とにかくどんなジャンルでも先駆者というのは苦戦を強いられるものなのです。
当たり前ですよね。後続は先駆者にプラスαしたものを売り出すんだもの、そっちの方が魅力的に見えるはずでしょ?
パズドラも然り。
スマホゲーム界の先駆者だからこそオワコンと化したのです。
最後に:オワコンは悪口なのか?
最後に書いておきたいことを書いておきます。
前々から思っていたのですが果たしてオワコンとは悪口なのでしょうか。
以下にWikipediaからの引用を示します。
『オワコン』とは、主に一般ユーザー又は個人ユーザーに飽きられてしまい、一時は繁栄していたが現在では見捨てられてしまったこと[1]、ブームが去って流行遅れになったこと、および時代に合わなくなった漫画・アニメや商品・サービス[2][3][4]などを意味する日本のインターネットスラング*2
大事な一文を抜き出します。
一時は繁栄していたが現在では見捨てられてしまったこと。
果たして現代においてまったく繁栄せずに終わりを迎えたコンテンツはいくつあるのでしょうか。
どんなに少なくとも両手で数えられる数では無いことは確かです。
一時でも繁栄できたというだけでも大したことなはずなのです。
それならオワコンって悪口というよりこれまでの苦労を労う言葉としての解釈があっても良いんじゃないのかと思うのです。
そのコンテンツが繁栄していたことを認めて初めてオワコンという単語が出てくるのですから。
オワコンにすらなれないコンテンツがたくさんあるのです。
まぁそれはそれとして別にパズドラがゲームとして面白いとはそんなに思ってはいないですからね。
今から他人に勧めることは、まぁないでしょうな。
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